〜 高機能樹脂素材とAIロボティクスの融合で、食品製造の未来を変える 〜
株式会社豆蔵(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中原 徹也、以下「豆蔵」)は三井化学株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:橋本 修、以下「三井化学」)と、中食※1製造における盛り付け工程の自動化を目的とした新型ロボット「美膳®」を共同開発しました。美膳®は、2025年12月に開催される「2025国際ロボット展(iREX2025)」にて初公開いたします。
■開発の背景と共同開発のシナジー
中食業界では、慢性的な労働力不足のため生産性向上が急務となっています。中でも盛り付け工程は中食工場で最も人手がかかり、自動化ニーズが高い工程であると言われています。また、消費者ニーズの変化によって、季節や流行に合わせた惣菜・弁当を提供する多品種生産に対応可能な、汎用性の高いロボット化が求められています。
このような状況を受け、豆蔵が持つロボット・AI・ソフト開発力と、三井化学が持つ高機能樹脂素材および素材に関する開発・製造ノウハウを融合し、新型盛り付けロボットを共同開発しました。
- 豆蔵の役割:システム設計、ロボットアームを含むメカ・エレキの設計、AI・ビジョン・モーションを含むソフト開発を担当
- 三井化学の役割:高機能樹脂素材および設計・成形技術の提供、ロボットハンドの開発、ロボットの製造および販売を担当

※写真は開発中のものであり、実際とは異なる場合があります。
■新型ロボット「美膳®」の特徴

- 盛り付けロボットで業界最速の生産性(2,000食/時)を実現
中食工場で人が作業した場合の生産能力2,000食/時(サイクルタイム 1.8秒/食)に対し、現行の盛り付けロボットの生産性は1,200食/時程度でしたが、美膳®は人の作業と同等の生産能力を実現しました。これにより、人とロボットが協働するラインでも高い生産性を維持できます。 - 迅速な生産切り替えを実現
中食工場では多品種生産により頻繁な生産切り替えが求められますが、美膳®は製造ライン内を移動可能なキャスターやユーザーフレンドリーな操作画面を備えるとともに、容易に交換可能なハンドの採用により、短時間での切り替えが可能な設計となっています。また、AI・ビジョン・モーション技術により、食品形状のバラツキやトレイの位置ズレ修正などに対応しています。 - 既存ラインに導入可能な軽量性・小型化を実現
軽量・高剛性の樹脂素材を採用し、双腕ロボットの小型化を実現しました。これにより、既存の盛り付けラインにそのまま導入することが可能です。 - 人協働を考慮した安全機能※2
非接触外装センサーを搭載し、作業員が接近した場合には自動で減速・回避・停止します。これにより、高い生産性を維持しながら、人と同じ空間でも安全に生産する事ができます。 - 中食ベンダーと共同で実用レベルを確認
中食業界のベンダー様にご協力をいただき、実際の工場環境下で集中的な実証試験を重ねてきました。 この実証試験を通じて、実用レベルの性能と安全性(機械安全、食品安全)を確認しています。
■展示会概要
展示会名:2025国際ロボット展(iREX2025)
会期:2025年12月3日(水)〜6日(土)
会場:東京ビッグサイト
出展ブース:豆蔵ブース(西館 W2-35)
展示内容:美膳®のデモンストレーション、AI制御技術および素材技術の紹介、共同開発ストーリー展示

※画像はイメージとなり、実際とは異なる場合があります。
■今後の展望
両社は、今後も協業によりロボットの付加価値向上に取り組むとともに、本格的な事業化フェーズへ移行し、食品業界の課題解決に貢献して参ります。
※1:家庭で調理する「内食」と、外食店で食事する「外食」の中間に位置する食のスタイル。コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売される弁当や惣菜類等、調理済みの食品や惣菜を購入し、自宅や職場などで食べること。
※2:本機能は開発中です。iREX2025 では要素技術の展示は行いますが、ロボットには本機能は非搭載となります。
以上
■豆蔵のロボットソリューション
豆蔵は、長年にわたり培ってきたメカ・エレキ・ソフト・AIを統合した開発力を強みに、先進的なロボットソリューションをワンストップで提供しています。とりわけ、多品種少量生産のようなロングテール市場におけるロボット導入という社会実装の課題に積極的に取り組んでおり、日本のモノづくりの構造改革を力強く支援してまいります。今回の「美膳®」においても、メカ・エレキ設計、ロボット制御、画像AIなどの知見を活かし、食品製造業に最適なロボットソリューションを実現しました。
■プレスリリース(PDF)
豆蔵と三井化学、中食工場の盛り付け工程の自動化を実現する 新型ロボット「美膳®(びぜん)」を共同開発.pdf